ネット小説「人生という物語を紡いでいく物語」第10話ー突きつけられた現実ー

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上司の飲みの誘いを断り、今日から小説を書こうと思った僕は帰宅して、簡単に食事を済ませてお風呂に入り、これから小説を書き始めようと思ってパソコンを起動した。

 

「さて、今日から本格的に小説を書き始めるぞ!」

 

今日から始めるのでやる気はとてもあるけど、まず何から始めれば良いのかわからないので、とりあえずグーグルで調べることにした。

 

「小説ってどうやって書けばいいんだろうか」

小説は一度も書いたことはないし、書こうとも思ったことはない。そんな僕がいきなり小説を書けるわけもなく、とりあえず調べてみるしかなかった。

実際に調べてみたものの、いくら調べてもどう書いて良いのか全然イメージが湧かないし、調べて分かるものではなかった。正直言って小説を書くことを舐めていた。

 

「全然調べても分からないからとりあえず書いてみるか」

 

そう思ってから10分が経ち、15分が経ち、そして20分経った頃に僕は思った。

 

正直どうやって書いていいのか全く分からない。書ける気がしなかった。

僕だって学校へ行ってた頃は、作文だって書いたことあるし、メールも書けるし読書感想文とか書いたことあるし、ちょっと書いてみればすぐに書けるだろうと思っていたが、そんなに甘いものでは到底なかった。

初めの一行を書くにも、何を書いて良いのか分からないし、とりあえずなんでもいいから書いてみようという軽い気持ちで書こうとしても全然書ける気がしなかった。

 

こんなに難しいとは思ってもみなかった。

 

そう思っている時に、不意に上司の言葉が胸に刺さった。

「小説家になって食べていけると思っているのか。そんなことよりも真面目に働け」という言葉を思い出してしまった。

確かにそんなに甘いものではないとは感じていたが本当に甘くない。

 

「とりあえず今日は遅いしまた明日から頑張ろう」

 

そうして僕はベッドへ向かった。

 

なんて僕はダメ人間なんだろうという罪悪感を胸にベットに潜り込んだ。

こんなちょっと書けなかったくらいでへこたれて今日はやめてしまうのか。

ちょっと自分には才能がないくらいで諦めていたらいつまで経っても夢なんか叶うわけがない。

そんなことはわかっているけど、それでもそういううまくいかない現実を目の前に突きつけられるとへこたれてしまう。

 

「こんなんじゃ小説家になんてなれるわけがない」

 

そんな思いを抱えながら諦めの心と頑張りたいけど動かない自分に罪悪感が入り混じった気持ちを胸にしまいながら眠りについた。